2007年04月27日(過去日記)
最近はアルツハイマーを代表とする認知症のドラマや映画がたくさん作られてますが、症状・経過は個人差があります。
おおかた、誰しも年齢を重ねると物忘れが酷くなっていくことに気づき不安になり、更に症状が進行していくと身近な人まで忘れていくのではないかと恐怖を感じるようになっていく・・・ と言うのが一般的なくだりですが、
うちのお袋は、もう忘れることはありません。
なぜなら記憶すらしないから。
その瞬間を認識してるだけです。
身内を忘れる訳がないと思込んでるので恐怖感なんてありません。
パソコンでいえばハードディスク(脳細胞)に一旦データ(出来事)を保存せずに いきなりメインメモリ上(目の前)だけで処理する感覚でしょう。
例えば
お袋は新聞をよく読んでます。
例えば最近多い地震の記事を読むと吃驚します。
「能登半島で大地震があったんやて、大変やー かわいそう。」
そして他の記事を読み出す。
ふとまた『能登半島に大地震』の文字が目に入る。
すると、
「能登半島で大地震があったんやて、大変やかわいそう・・・」
他の行動をとるまでこれを何度か繰り返す。
直ぐにテレビをつけると
『能登半島に大地震』のニュースをやっている、
するとまた、
「これ見てー、能登半島でおお地震があったんやて、大変や かわいそうー!」
他のチャンネルに変えてもまた、『能登半島に大地震』のニュースをやっている。
するとまたまた、
「これ見てー、能登半島でおお地震があったんやて、大変やかわいそう」
彼女の中には 『 阪神淡路大震災も オウム真理教事件も 湾岸戦争も 北朝鮮の拉致・ミサイル核問題 』 も、在りません。
楽しいことも憶えてない代わりに、悲しい事件も留まりません。
また、お袋は花が大好きです。
庭に咲いた花を摘んで家中に生けてます。
一つは台所のテーブルの上(目の前)にあり、それを見るたびに
「あら、これ見て、りっぱなつつじ。綺麗やなぁ どこで買って来たん?」
そしてご飯を食べ出し、また目に入ったら
「あら、これ見て、りっぱなつつじ。綺麗やなぁ どこで買って来たん?」
飯が終わるまでに10回は繰り返します。
綺麗(よろこび)を何度も感じることができます。
得なこともあるのです・・・
これは、彼女を見てる方も同じです。
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